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発表会でなぜ個人賞を渡す?!



emo DANCE schoolでは、発表会で「個人賞」を渡すということを行なっています。出演者全員それぞれの良いところを審査員が見つけ、それを賞として渡し、さらに優秀賞を1割程度の子たちに、最優秀個人賞を数名に渡してます。


審査員は講師ではなく、ゲストダンサーやダンス関係者にお願いしてあるのですが、こういう賞を渡すことに関してもいろんな意見があることを理解しています。賞がモチベーションになる子もいれば、もらえなくていじけたり、ダンスが嫌になる子もいるかもしれません。親御さんの中にも自分の子と周りの子を比べて評価されると感じ、嫌な気持ちになる人もいるかもしれないと想像もできます。

 

賞を渡すことについて、私の考えは「どうでもよくなっていく練習」だと考えています。というのも、こういう企画をしておりますが、私自身が人からの評価に全く興味がないのです。もちろん褒めてもらえたら嬉しいですし、貶されたら悲しいこともありますが、基本的に自分が自分に対してどう感じるかに興味があり、自分が好きな自分でいられているかにおもきをおいているタイプです。ではなぜ賞を渡す企画をするのか。


話しを生徒に戻します。優秀賞がもらえた子は認められて嬉しい気持ちになるだろうし、もらえなかった子の中には、認められなくて悲しい、悔しい気持ちになるという子もいると思います。また、次回はどうしたら優秀賞をもらえるか考えたり、もらえた子はなぜもらえたのか、審査員はどういう基準で選んだのか、いろいろ考え研究する子もいるでしょう。

 

私もダンスのオーディションや仕事を経験していく中で、周りと比べられるのが嫌な時期もありましたし、認められたくて頑張っている時期もありました。承認欲求というものもすごくあり、バレエの先生に認めてもらいたい気持ちもすごくありました。それが、発表会で良い役がもらえるかどうかなど、そこで判断していたように思います。今の子たちだったら、センターか目立つ位置がもらえるか、ソロパートがもらえるかなどがあるのだと思います。

 

学校でも成績の順位が張り出されたり、周りと競争をしなければいけないような環境というのが、避けにくい社会なんだと感じます。そんな中で、そのやり方に合わない子は生き辛く、自己否定が進み、頑張れない、頑張りたくないという気持ちになる子もいると思います。人によりますが、そこまで生き辛く感じなかったとしても、この社会で生きていく上で、よほどのマイペースか競争に関心がない子でない限り、こういう環境に影響を受けずに生きるのはなかなか難しいです。

 

そこで、生徒には子どもの頃から経験して、自分の中でどう考えていったらよいか学んでいって欲しいと思っています。避けるでも良いのですが、通過する卒業するというイメージです。


スポーツ選手やアスリートの方たちも、はじめは周りと順位を競う環境にいますが、周りがどうこうというより、自分との戦いになっているように感じます。中には、あの人がいるせいで自分の評価が低いと考える人もいそうですが、コツコツと積み重ねてきた人は自分と向き合うことに長けていて、心も成長しています。挫折があったり、悔しい気持ちもたくさん経験して、何か学んでいくのだと思います。

 

子どもたちも「評価がある」という発表会の中でいろんな思いを経験しながら、自分がどうしていきたいのかを考えるきっかけにしてほしいと考えています。1番になりたい、認められたい、主役をやりたいなどの気持ちがあるのなら、とことんやるしかないと思います。それがその子に必要な経験で、今回生まれて学びたいプログラムなのかもしれません。希望が叶うかもしれないし、叶わないかもしれない、どちらにしても気付く事があって、次に繋がっていくのだと思います。

 

そして、最終的には「どうでもいい、どっちでもいい」になるのではと。他人の評価なんてどうでもいい、順位なんてどうでもいい、自分が好きでいられる自分でいるかどうか、自分がこうありたいと感じる自分でいられるかどうかの方が幸せなんじゃないかと思うのです。そうなるためにやりきる。やりきったらまた違う世界に行けるのだと思います。

 

ダンスの評価もさまざまです。ダンスが好きでたまらない子がキラキラして踊るのと、センターになりたくてメラメラして踊っているのと、感じるものが全然違って、キラキラだったらどこにいても目立つし、注目されますし、メラメラな子は情熱を感じますし、パワフルさもあると思います。評価も人それぞれで、見る人のタイプによってどちらの子のダンスに感動するかが違います。だから、たくさん経験して、やりきることが大切かなと思います。

 

その経験の1つになるように、発表会をやるわけですが、でもでもやっぱり生徒が可愛くてしかたないのです。喜んで欲しい気持ちもあるので、全員に何かしらの賞を渡しちゃうのです。あなたはここが素敵だよと、スマイル賞や元気賞、ユーモア賞の他、アイドル賞(アイドルのようなカリスマ性がある)、キラキラ賞(オーラや笑顔がキラキラしている)など審査員の愛が溢れる個人賞に毎回感動しています。



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